ブログを書きはじめたきっかけ

ブログを書き始めたのは、去年(2016年)の終わりごろだった。それまで僕はTwitterをやっていたのだが、140文字という制限、それにフォロー・フォロワーの関係にうんざりしていた。僕は、他の誰にも干渉されない場所を探していた。最初は自らホームページを立ち上げようと思ったが、HTMLの知識が乏しく、難しかった。それに今の時代にホームページなんて、あまりにも時代錯誤だということも理由の一つだった。なので、既存のWebサービスを使うしかない。匿名性が欲しいので、Facebookは論外。Amebaは性に合わないし、FC2やライブドアはアダルトやまとめサイトのイメージがあったのでやめた。Wixあたりのホームページ系は魅力的だったが、個人的に気に食わなかった(折角ホームページを作るのなら、一から作ってみたかったので...)。当時の僕は、割とメンヘラ、発達障害系のブログを読んでいた。その手のブログがはてなブログに集中していたことから、僕は安易な気持ちではてなブログを選んだ。

第一次はてな時代
最初の方は音楽ブログとしてやっていこうと思っていた。アルバムをレビューして、記事を書く。そういったことに憧れていた。ポピュラー音楽を哲学や宗教、更にはSF、サブカル、その他諸々と関連付けて語ることは、今振り返れば非常に胡散臭いことなのだが、その時はそんなことばかりに惹かれていたのだ。今でもそうかもしれない。
その計画はとても早くに頓挫した。アルバムを体系的に聴き、批評することは結構骨の折れる事だった。もう一つ問題があった。過去の僕は、”マイナー”なアルバムを”日本語”でレビューすることに拘っていた。つまりはディガーになりたかったということだ。そのため、ビートルズやクイーンのレビューはできなかった。売れた作品は十分に批評されつくしている。1000レビューあるところに1レビューしたって、1001にしかならない。そんなものに何の意味があるというのか?拘泥は深く長く、マイナーな音楽ばかりを聴くようになった。再生数の少なさこそ正義だった。だが当たりの曲は少なかった。いい曲を聴くためには、数を聴かねばならない。精神が疲労していくのは自明だろう。

Tumblr時代
そのやりかたを諦めた僕は、日記を書くことにした。はてなブログから離れ、違うところで筆(実際はキーボードなのだが)を執ろうと考えた。自身の精神世界を、できるだけおしゃれなところで書きたい。僕は洋楽かぶれだし、基本的にヨーロッパが大好きだ。彼らと同じところで暮せば何か見つかるのかもしれない...とも思った(ネットの世界の方がリアルだし、ある界隈に属するということは、ある街に実際に住んでいる感覚になる)。そして行き当たったのがTumblrだ。ここで僕は写真家になろうとした。メランコリックでノスタルジックを感じる風景に、リリカルかつペシミスティックな文章を書けば無敵なのだ。変な日記と写真をアップロードし続けた。はてなよりは長続きしたが、しかし限界はすぐに訪れた。
一つは文才のなさ。僕は詩を書くのが大の苦手だし、自殺どころか、リストカットも試したことがない。そんな人間が書く"リリカルかつペシミスティックな文章"はどう読んでも偽物だったし、風景の写真もネタ切れになってきた。明らかに向いていない仕事だった。もう一つの理由は、己をさらけ出しすぎたこと。日記を書くということは、自分自身の内面を文章にすることだと思っているが、それをネットに公開することは、端的に言えば公開処刑だろう。自らの文章や音楽を他人に見せることは、野外で全裸になるようなものだと思っている。今でもこの問題に、自分自身で折り合いをつけられない。例えば、自作した曲を公開したくても、上記の理由で公開するのに心理的な抵抗があるのだ。
閑話休題。結局、Tumblrはやめた。明らかに文章を公開するのに向いていないデザインだったし、なにより日本語ユーザーが少なすぎた。英語やドイツ語でブログを書くほどの能力はないのだし、もうそこを離れる以外の選択肢はなかった。写真の公開には向いているサイトだから、また利用していきたい。洋物の画像探しにも向いているし

第二次はてな時代(現在)
結局、またはてなブログで書くことにした。世の中の有名日本語ブログの中で、ここが一番マシだろうと判断した。ただ、不満はある。まずは公告が表示されることだ。Tumblrでは公告を非表示にできた。ここでは有料だ。どうせ公告を表示しないといけないのなら、管理人が自分の好きな公告を選べればいいのだけれど...といつも思っている。もう一つはレイアウトの問題。他のブログに比べれば圧倒的に読みやすいのだけれど、気に食わないところはいくつかある。ただ、そこを修正するためにはそれなりの知識が要るはずなので、手を出していない。
書いた日記の全てを公開することはやめた。今も日記は書いているが、オフラインで保存している。オフライン日記では、まず簡潔に今日の出来事と感じたことを書き連ねたあと、それ以上に書きたいことがあれば、長文を書く。出来の良い文章ができれば、その一部をブログに乗せる。そういうスタイルでやっていけば、少なくとも"全裸"ではないので、ダメージは少ない。
飽き性だからいつまでこの習慣が続くのかはわからないが、文章の練習と感情の整理も兼ねて、こんな風に書き続けていきたい。